医学部地域枠の難易度は一般入試と比べて低い?高い?
医学部入試では、一般入試とは別に地域枠という制度があります。
医学部を卒業後、一定期間その地域で働けば奨学金の返済が免除されるという制度です。
医師が不足している地域で働く医師を確保する目的で導入されました。
そこで今回は、医学部地域枠の難易度について解説していきます。
記事の後半では地域枠合格のポイントについても触れています。
医学部受験で地域枠の利用を考えている方の参考になればと思います。
▼目次
地域枠の難易度は一般入試より高い?低い?
偏差値は一般入試より低い場合が多い
結論から言うと、医学部地域枠の偏差値は一般入試と同等もしくは低い場合が多いです。
地域枠では卒業後に一定期間その地域に残って医師として働かなければならないという制限があります。
その制限があるために一般入試と比べると志願者が少なく、倍率が低いのが現状です。
大学によっては地域枠の志願者数が定員に満たないという大学もあります。
実際のデータを見てみましょう。ここでは例として弘前大学の偏差値を見てみます。
なおデータは河合塾の「国公立大学医学部偏差値一覧」を参考にしています。
入試方式 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
---|---|---|---|---|---|
一般枠 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 65.0 |
青森県枠 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 62.5 |
この表の通り、2016年度から2020年度までの地域枠の偏差値は、一般枠より2.5低い数値となっています。
このように多くの大学では一般入試よりも偏差値が低い傾向にあるので、狭き門と言われる医学部入試では狙い目といえます。
例外もあるので注意
一般入試よりも偏差値が低いと前述しましたが、もちろん必ずしもそうではなく例外もあります。
地域枠の偏差値が一般入試よりも高くなる例として、藤田医科大学の愛知県地域枠の偏差値を見てみましょう。
入試方式 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
---|---|---|---|---|---|
一般枠 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
愛知県地域枠 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 67.5 | 67.5 |
この表を見れば分かる通り、2016年度から2020年度までの地域枠の偏差値は、一般枠と同等もしくは高いです。
藤田医科大学の愛知県地域枠の募集人数は5名と少なめです。
愛知県という都心部にあることから人気が高く、出願する受験生が多いのです。
そのため倍率が高く、偏差値も高めになっています。
このように、必ずしも地域枠の偏差値が低いとは限らないので事前によく調べることが重要です。
医学部地域枠合格への近道
医学部入試に詳しい予備校に通う
医学部入試の地域枠は大学によって条件が様々なので、しっかり情報収拾をして正確な情報を知っておくことが大事です。
しかし自分で調べるのはかなり大変なので、医学部地域枠に精通している予備校を利用するのが良いでしょう。
進路に関するアドバイスがもらえるだけでなく、自分で調べるだけでは分からない情報も得られる可能性があるので、医学部入試のプロがいる予備校を利用するのがおすすめです。
医学部地域枠への合格を狙う受験生は?
面接対策をしっかりする
医学部の地域枠入試の合格を掴むためのポイントは、面接対策を万全にすることです。
地域枠の面接では、「本気で卒業後もその地域で働く意志があるのか」を見られます。
地域枠で入学したものの、途中で離脱して都市部に行ってしまう学生や医師も少なくないからです。
そのため、大学側としては何としてもその地域に残って地域医療に従事してくれる人材が欲しいのです。
では具体的にどのような対策をすれば良いのでしょうか。
その地域の医療事情を理解する
地域枠の面接を突破するためには、その地域の医療事情をしっかり理解することが重要です。
地域枠の一番の目的は、地域医療に貢献してくれる医師を確保することだからです。
志望校が決まったら、行きたい大学がある地域の医療事情について調べるようにしましょう。
その上で「その地域の医療にはどのような問題があるのか」、「その問題を解決するために具体的にどう地域医療に貢献したいのか」を明確にして、面接官にアピールしましょう。
そうすることで、面接官にも本気度が伝わり合格の可能性が上がるはずです。
なぜその地域なのかを明確にする
地域医療に貢献したいというアピールをした上で、「なぜその地域を選んだのか」も明確にできるとさらに評価が上がるでしょう。
出身地の大学を受ける人は多いですが、出身地ではない地域の受験では、「なぜこの地域を選んだのか、他の地域でも良いのではないか」と疑われる可能性があります。
そのため、「親の地元でよく帰省しているから」、「よく旅行で訪れていて愛着があるから」などその地域で本気で医療に携わりたいという意思表示をすれば他の受験生と差をつけられるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
医学部地域枠の偏差値は一般入試と同等か低い場合が多いです。
しかし、必ずしもそうとは限らないので、しっかり調べることが重要です。
地域枠では卒業後の制限があるので、よく考えた上で受験の判断をしましょう。
特に面接では受験生の本気度が計られるので、十分な対策を行うことが合格のポイントとなります。