医者になるにはどのくらいのお金がかかる?医学部の受験費用と学費について
「医者になりたい!」「医学部に進学したい」という夢ができても、「医者になるためにはお金がかかる」「医者になれるのは裕福な家の子どもだけ」などお金に関する悩みや不安を感じる人も多いと思います。
しかし、漠然と「とにかく莫大なお金がかかる」「具体的な金額は知らないけど、私には無理だ」とあきらめてしまうのは、非常にもったいないことです。
そこで今回は、医者になるためにかかる費用について具体的に解説していきます。
私立大学医学部や国公立大学医学部の学費についてはもちろん、海外で医者を目指すことについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
▼目次
医学部受験にかかる費用
ご存じかと思いますが、医者になるためには、医学部受験に挑戦し、合格を勝ち取ることが最初の一歩となります。
そして、その医学部受験をするためにも費用がかかります。
そこでここからは、国公立大学の医学部と私立大学の医学部に分けて受験でかかる費用について解説します。
医学部の学費に比べれば、1回あたりの受験費用は大きな額ではありませんが、様々な大学を何度も受験すると徐々に費用が大きくなっていくため、しっかりと具体的な費用を把握しておきましょう。
【国公立大学編】医学部受験にかかる費用
国公立大学の医学部を受験する場合は、2つの場面で費用がかかることになります。
まず1つ目が「大学入学共通テスト」です。
この試験は、これまで「センター試験」と言われていたもので、国公立大学の医学部を目指す受験生にとっての1次試験となります。
国公立大学を受ける場合は、3教科以上の受験が必要なので、費用は18,000円となります。
また、成績通知を希望する人は、800円を追加で支払う必要があります。
そして2つ目は「2次試験」です。
国公立大学の入試では1次試験を受けた後に、その大学が独自に作成している問題が出題される2次試験を受験する必要があります。
こちらの費用は、17,000円となるので、国公立大学の医学部を受験するためには、合計35,800円かかるということになります。
【私立大学編】医学部受験にかかる費用
私立大学を受験する場合は、受験する大学によって費用が違うことはもちろん、入試方式がいくつかあるため、その方式によっても費用に違いがでてきます。
そこで今回は一般入試と共通テスト利用入試について解説したいと思います。
一般入試という入試方式は、受験する大学が独自に作成している問題が出題される試験で、A日程・B日程、前期・後期などと1年のうちに何度も実施されています。
この試験の費用は、大学によって異なりますが、多くの大学は30,000円~60,000円で受験することができます。
共通テスト利用入試は、共通テストの結果を志望する私立大学に提出し、合否が決まるという入試方式です。
共通テストの結果のみで受験できる大学もあれば、指定の科目のみ大学独自の試験を受験しなければならないという場合もあるため、詳細については受験する大学の入試情報を確認しましょう。
共通テストの費用は、共通テスト2教科以下受験の場合は12,000円、3教科以上受験の場合は18,000円です。
教科数は、受験する大学によって変わってくるため、こちらも受験情報の確認が必須です。
また、先ほども説明した通り、成績通知を希望する人は、800円を追加で支払う必要があります。
そして、共通テスト利用入試を受験するために必要な費用については、各大学によって差はありますが、10,000円~30,000円で受験が可能です。
つまり、共通テスト利用入試を受験するためには、合計22,000円~48,000円程の費用が必要となるのです。
医者になるまで医学部でかかる費用
ここまで、医学部受験にかかる費用について解説してきましたが、受験費用以上に知っておかなければならないのが、医学部に入学してからの学費です。
そこでここからは、国公立大学の医学部でかかる費用と私立大学の医学部でかかる費用について解説していきます。
医学部受験を考えているのであれば、できるだけ具体的な費用を把握しておくことが大切なので、ぜひ一度目を通してみてください。
【国公立大学編】医者になるまで医学部でかかる費用
国公立大学は、学部に関係なく学費が一律であることがほとんどであるため、「医学部だから莫大な学費がかかる」ということはありません。
ただし、2004年度から標準額の10%を上限に、各大学で学費を設定できるようになったため、大学により多少差があるということは知っておきましょう。
国公立大学医学部の入学金は30万円程で、1年あたりに必要な学費は55万程と言われています。
つまり、入学金を支払い6年間医学部に通い続けた場合、360万円程のお金がかかるということです。
このように国公立大学医学部では、医学部以外の学部でかかる学費とほぼ変わらないため、一般家庭の学生も進学しやすくなっています。
しかし、費用の関係上、私立大学の医学部と比べて倍率が大幅に高くなるため、簡単に合格をつかみ取ることはできないというのが現実です。
【私立大学編】医者になるまで医学部でかかる費用
私立大学医学部でかかる費用は、大学によって大きく異なります。
学費が安い大学では6年間の学費の総額が約2000万円、学費が高い大学になると4500万円以上のかかる場合があります。
また、私立大学医学部の6年間の学費は平均3300万円程とかかると言われています。
この費用は、先ほど紹介した国公立大学医学部でかかる費用のおよそ10倍で、一般家庭から私立大学に進学することは非常に困難なように見えてしまうかもしれません。
しかし、奨学金制度や成績優秀者に対する学費の免除や減額などの制度があるため、様々な制度について調べ、進学を考えるということも1つの手段です。
海外で医者になるという選択肢は?
日本の大学の医学部でかかる費用を目の当たりにすると、「日本の大学で医者を目指そうと思っても費用がかかりすぎる」「日本よりアメリカで医者を目指した方が良いんじゃないか」と考える人もいるでしょう。
しかし、アメリカで医者を目指そうしても、日本と同等かそれ以上の費用がかかります。
アメリカで医者を目指す場合は、「メディカルスクール」という、日本でいう大学院のようなところで4年間学ぶ必要があります。
大学院ということは、メディカルスクールに通う前に大学に4年間通っておかなければならないため、計8年間勉強する必要があるのです。
費用については、州や大学によって差はありますが、大学やメディカルスクールに通うためには、1年間で約400万円かかると言われています。
つまり、8年間で約3000万円の費用がかかるのです。
さらにアメリカで生活をしていかなければならないため、家賃もちろん生活費など様々な費用がかかります。
そのため、アメリカで医者を目指そうと考えるのであれば、3000万円をゆうに超える費用がかかるということを知っておきましょう。
まとめ
今回は、医者になるためにかかる具体的な費用について解説しました。
やはり、医者になるためにはたくさんのお金がかかります。
しかし、だからと言って裕福な家庭の子どもしか医者になれないというわけではありません。
奨学金を借りて進学し、自分が医者になってからの稼ぎで奨学金を返済するという人もいるのです。
そのため、「本当に医者になりたいか」「医学部で勉強が辛くなっても頑張り続けられるか」など、自分の思いや覚悟を確認した上で、医学部に進学するかどうかを決定するようにしましょう。