医学部受験で女性の志願者増。にもかかわらず女子生徒が受かりにくのは本当?
毎年のように入試方式が変わったりして新しい情報を知ることが重要な医学部の受験ですが、ここ最近大きな変化があるのが「女性生徒の志願者増」です。
しかし医学部の受験は「女子は不利」という噂があるのも事実です。そこでここでは医学部の受験で女性生徒が勝つにはどうすれば良いのかについて説明していきたいと思います。
▼目次
理系、医学部系の女子生徒の志願者数が増えている
近年、学部ごとの志願者数で増加している学部を見ていくと1位は「国際」系統の学部であることがわかります。最大の志願者数を誇る近畿大学でも国際学部が開設されるなど国際系統の学部の人気はとどまるところを知りません。
しかしその他に目を向けてみると「薬学」「医学」「歯学」などの理系学部が軒並みその数字を伸ばしていることがわかります。
ただし理系学部すべてが伸びているわけではなく、「工学」「理工学」などは伸びていません。その原因が「理系女子の増加」なのです。
理系女子が増加し、理系の学部の志願者数が増えるなかでも就職先が圧倒的に男性が多い工学や理工学は女子生徒が避けていきます。そして就職に強い資格や免許を取得することができる「薬学」「医学」「歯学」に人気が集まっています。
そういった経緯もあって偏差値が高い女子生徒たちがそれらの学部に流れていることで医学部の志願者数も増えています。実際に関東の偏差値上位の女子校、桜蔭、女子学院、豊島岡などでは進学志望先の3割以上が医学部であるという現状になっています。
大学医学部は女子生徒は通りにくいというのは本当?
大学によって「女子生徒の医学部合格」に対する考え方は大きく違っています。それは女子生徒の医学部に占める割合を見ても明らかです。
まったく公平に考えれば合格者の半数は女子生徒であるはずです。しかし実際には男子生徒の方が割合は多くなっています。
これは医療現場で男性が重視されている風潮がまだ残っているからです。
24時間365日間はっきりと休むことができない医療現場では力仕事や体力仕事も多くあります。
そういった現場では若い男性医師が何より必要になります。
さらに経験を積んでより重視してくる年齢になって女性は産休・育休に入る可能性もあります。
かなりこういった勤務環境は改善されているとは言うものの、代わりの医師をすぐに見つけることができない医療機関などでは女性医師に休まれるのは大きな痛手となります。
そういった背景があって医学部合格に関して男子生徒を優遇するというケースがあるのです。
残念ながら現時点では、つまり女子生徒が医学部に合格しようとすると男子生徒よりも「1ランク上」の結果を出す必要があるということになります。
それが医師国家試験の合格率にも数字として表れています。男性の合格率が87~90%であるのに対して女性の合格率は90~93%となっています。明らかに同じ学部内であっても女性の方が優秀だという結果になっているのです。
女子を積極的に受け入れている大学を探そう
これらのように男性が有利になるという大学だけではありません。
なかには優秀な女子生徒を獲得し、育てていくのに非常に積極的な大学もあります。まずこういったところを狙っていくという方法があります。
例えば、東京女子医科大学では「女性医学研究者支援室」が設置されています。ここでは文部科学省がモデル事業として採択している「保育とワークシェアによる女性研究者支援プロジェクト」が推進されています。
勤務している女性医師のワークシェアやフレックス制など勤務しやすい体制を整え、院内保育室には病児保育も導入されました。さらに2017年には「女性医療人キャリア形成センター」が新設され、現場リーダーとして働くことができる女性医師の育成を目指しています。
こういった「女性医師の育成や地位向上」に力を入れている大学を受験することで女子生徒の合格率を上げることが可能なのです。
こういった取り組みをしている大学は帝京大学や秋田大学など他にもあります。受験しようとしている大学が女性医師をどれほど重視しているかを調べるということも重要です。
また、勉強の仕方としては女子生徒は「コツコツと勉強する」ということに関しては男子生徒よりも優れていると言われています。
しかし「要領の良い勉強の仕方」「計画的な勉強の仕方」は苦手とも言われています。
医学部受験予備校や学校の教師と相談して、受験までにどのように勉強していくかを組み立てるのも良いでしょう。枠組みが決まってしまえばコツコツと実践する力は女子生徒の方があるのです。
まとめ
女子生徒の医学部受験の合格率をあげるには「女子生徒の合格率の現状を知る」「女性医師、女子生徒の教育や育成に力を入れている大学を探す」「しっかりと計画を立ててそれにそって勉強する」ということが必要になってきます。
一人でがむしゃらに勉強するというのではなくしっかりと情報を集め、相談を重ねて勉強を進めていきましょう。