2018年医学部入試の現状
大学の医学部入試は難関であるということは知られていますが、毎年のように定員や倍率が変化していることはしっかりと押さえていないという学生がいます。
最近はメディアでも医学部受験について取り上げられることも多くなっているため、例年以上に変化がある可能性が高いと言えるでしょう。
受験勉強を本格的に始める前にまずは医学部入試の現状を把握しておくことが必要です。ここでは現在の医学部入試について紹介していきたいと思います。
▼目次
定員が増えているのに難化している?
少子化が進み、私立の中堅大学などでは定員を集めることができないところも増えてきています。選びさえしなければ全員合格、という言葉が現実化してきている近年ですが医学部はどうでしょうか?
全国的に医師不足が叫ばれるなか、医学部の定員は毎年増えてきています。ここ10年の間にも約1700名ほどの定員が増加されているのです。
少子化が進んでいるなかで定員が増えているので普通に考えれば簡単になっていくイメージがあるのですが、実際には医学部の受験難化傾向はますます進行しています。
これにはいくつかの理由が考えられます。
まず医学部の受験者数が増加しているということがあります。定員が増えてたことで医学部を受験しようとする理系の学生が増えたのです。それによって倍率が上がってしまったということがあります。
国公立大学では倍率がだいたい6〜8倍程度、私立大学になると20〜30倍、多い所では約70倍という倍率になることがあります。ここまでの倍率になると入試での1、2点が合格を左右するという熾烈な戦いになることは間違いなく、その難易度の高さがわかります。
これは国公立大学を志望していた優秀な学生が私立大学に流れてきているということも影響しています。
試験科目や必要な得点率
センター試験を利用しての国公立大学を受験する場合は5教科7科目の受験が必要となります。
また、募集人員の約9割にも及ぶ前期日程では二次試験の結果が重視されるためにこちらでもしっかりとした点数をとる必要があります。しかし、まずはセンター試験を突破しなければその先はありません。国公立大学を受験する場合、センター試験での必要得点率は85〜95%にも及ぶとされています。
そのため基本的には90%以上をとることを目標にしなければいけません。そうすると国語や社会でも確実に点数をとることが求められ、とれる科目では満点を狙っていく必要があります。
しかし中には数学のように平均点が50〜60%程度の科目もあります。そういった科目があるなかで90%をとっていくというのは至難の業です。私立大学の場合はその大学によって試験科目や配点、問題傾向がかわりますので事前にそれらをしっかりと調べておくことが重要となります。
たいていの私立大学では英語、数学、理科2科目+面接というところが多くなっています。そのため国語や社会を苦手としている学生も私立大学に流れてきやすくなっています。
そして入試日程さえ重なっていなければ何校でも受験することが可能のため、多くの数を受験する学生もいます。その分、倍率は高くなってしまうという現状があるのです。
ただそれぞれの大学に問題傾向があるといっても、その大学の傾向だけを勉強するというのはおすすめしません。その出題傾向にも慣れながらどういった問題にも対応できるように準備し、特に弱い分野や単元を鍛えておくことが必要となると言えます。
近年の入試方式
近年、AO入試や推薦入試の方式が増加傾向にあります。
AO入試などは募集定員が少ないものの、小論文や面接などによって合格することが可能となるために志望する学生も増えてきています。推薦入試などでも同様ですが、意外と面接を苦手としている学生が多いために前もって学校や塾、予備校などで面接対策を行っておくのが良いでしょう。
やはり多くは国公立大学の場合はセンター試験からの前期日程であったり、私立大学では一般入試からになりますが、そこでも二次試験に面接が多く設定されているのです。
また、近年「地域枠」がかなり増加傾向にあります。特に医師不足が問題となっている地方での採用が目立っているこの方式は、大学卒業後にその地域の指定された医療機関で数年間働くことが条件付けされているものです。中には奨学金が用意されているものもあります。
その地域の出身の学生を対象としたものと、全国どこからでも受験できるという方式のものがあり、中には一般入試の志願倍率が10倍を超え、合格率も10%を切るような大学の医学部でも地域枠の入試では志願倍率が約3倍ほど、合格率も35%ほどもあるということもあります。
よほど行きたい大学を絞っている場合は別ですが、広く視野を持って、受験情報を知っておくことで別の受験方法を選べるようになるかもしれません。
まとめ
大学の医学部入試は毎年のように定員数や入試方式に変化があります。そのときの最新の情報を正しくつかんでいることが自分の合格率を高めることにもつながるのです。
学校や塾、予備校などや大学の公式HPなどで正しい最新の情報を集めておくようにしましょう。