国公立大 医学部入試の現状
国公立大学と私立大学と医学部入試も分かれていますが、学費の安さなどから国公立大学の入試はより難関であると言われています。
2019年度の国公立大学の医学部入試は現在どのようになっているのでしょうか。
ここではそこを説明していきたいと思います。
国公立大学の医学部入試とは
センター入試と学校ごとの試験の合計点で判定
国公立大学の医学部入試ではセンター試験と大学ごとの個別試験の合計点で判定されます。
配点の割合は学校ごとに違っており、徳島大学のようにセンター試験900点、個別試験400点というようなセンター試験重視の学校もありますし、京都大学のようにセンター試験が250点で個別試験が1000点と個別試験を重視している大学もあります。
ただし個別試験を重視している大学でもセンター試験での足切りが行われますので、一定の点数に達していない場合は個別試験に進むことができません。
その他の大学ではセンター試験と個別試験の割合がほとんど同じというところもあります。
センター入試での試験科目とは
センター試験では5教科7科目を受けるのが基本となります。
国語、地歴公民、数学が2科目、理科が2科目、外国語という内訳です。
学校によって地学が選択できたりするところもありますが、多くは物理・化学・生物からの選択となります。
これらの科目で旧七帝大と言われるような大学ではだいたい90%の得点率が求められます。
その他の地方の大学などでも85%ほどの得点率が求められますので注意が必要です。
特に苦手科目がある場合などは早めに対応していかなければならないでしょう。
得意な科目では満点を目指していきましょう。
前期日程と後期日程
国公立大学50校のうち前期日程はほぼすべての49校で行われているものの後期日程は半分ほどの23校だけです。
また、募集定員が前期と後期では割合が9:1ほどと圧倒的に前期日程が多くなっていますので、まずは前期日程に全力を尽くしましょう。
オーソドックスな形としては前期日程は英語・数学・理科が2科目、面接というもので、後期日程は小論文や面接だけが多くなっています。
2月下旬ごろに前期日程が行われ、3月中旬ごろに後期日程が行われます。
増加しているAO・推薦入試
減少している後期日程の定員に対して増加しているのがAO入試・推薦入試です。
その割合は全体の4分の1に当たる約25%ほどとなっており、ますます増加傾向にあります。
この中には「地方枠」と呼ばれる自治体奨学金を利用した推薦入試があります。
これは返済の必要がない奨学金を与える代わりに大学卒業後にその地域で指定された医療機関で一定期間勤務するというものです。
勤務しなかった場合には返済の義務が発生します。
また、高いレベルの基礎医学者を育てるための「研究医枠」もこの入試に含まれます。
増加傾向にあるAO・推薦入試ですが前期日程と比べると倍率はかなり低めになっています。
これは推薦入試を受けるためには標準評定値が4.3以上必要になるということや、卒業後に地方で勤務することを嫌う地方枠への遠慮などが関係していると考えられています。
国公立大学の医学部入試でのポイント
全統マーク模試での偏差値の基準
医学部を目指す学生の多くが受験する全統マーク模試ですが国公立大学の医学部入試の一つの目安が「偏差値65」という数字です。
目標があった方がやる気が出るという生徒はまずはこの偏差値を目指すのが良いでしょう。
もちろんこれより高くても不合格になることもありますし、試験内容との相性で、これより偏差値が低くても合格することはあります。
面接試験には要注意
近年医学部の入試のポイントとなっているのが「面接」です。
医学部を受験するような学生は基本的に優秀で学力は総じて高い学生たちです。
しかし偏った考え方や人間性に問題がある学生がいるのも事実です。
学力試験で学力を計り、面接で人間性を計ることで入試の精度を上げているのです。
過去には地方の大学医学部を受験しにきた生徒が大学のアドミッションポリシーを知らなかったり、医療に関係する大きなニュースを何も知らないということもあったようです。
また、「地方枠」の入試を受けにきた学生が、その地域のことを何を聞かれても答えられないということもありました。
勉強をするのはもちろん重要なことですが、面接の対策も同様に行わなければならないのです。
基本的には聞かれたことに対して大きな声でハキハキと答えることができれば大丈夫です。
その際、小論文などでも同様ですが「あまりに偏った思想や思考」を出さないようにしましょう。
まとめ
医学部は国公立大学、私立大学を問わず難関であるのは間違いありませんが、学費の関係などから国公立大学はより偏差値レベルが高い難関となっています。
しっかりとデータを分析して準備していくことで対応をしていきましょう。