医学部対策 理科は先取りが必要?
医学部を目指す受験生にとって大きな壁となるのが「理科」の科目です。
科目としても覚える量が多いことに加えて、本格的に勉強を行う高校三年生になった時点では学校でまだすべての範囲が終わっていないということも多いからです。
医学部を受ける以上、国立私立関係なく理科は避けては通れません。
そこでここでは理科の先取り学習について紹介していきたいと思います。
【医学部入試コラム 目次】
学校の進度に任せっきりは危険
学校によって進度は大きく違っている
化学の分野も物理の分野も学校によっては進度に大きな違いがあります。
医学部受験を意識している進学校などではかなり進度が早いこともあって、それほど遅れることはありませんが、一般の公立高校などでは高校三年生いっぱいまでを使って学習を終わらせようとするところがあります。
もちろん、そのペースで学習していては医学部の受験には間に合いません。
特にこれは公立高校に多く見られる現象です。
私立の上位校などでは高校二年生までで高校の学習内容を終わらせてしまうというところが多いのでそのペースに任せておいて良いでしょう。
自分の学校のカリキュラムが遅いと感じたら家庭教師や予備校を利用して先取りで勉強をしていく必要があるのです。
早めに学習範囲を一周して三年生では復習に入れるような体制をつくりましょう。
浪人生と現役生の学習スピードの差
学習の速度に大きな違いが出るのが浪人生と現役生の差とも言えます。
浪人生は当然学習範囲をすべて終えている状態です。
現役生が新しい内容を学習している間に何度も復習している状態なのです。
そのため何度も繰り返して復習している浪人生は理科は高得点になる傾向があります。
ここで差をつけられないためには高校二年生の時点で一通りの学習を終わらせてとりあえず仮にでも完成の状態にもっていくことが重要です。
高校三年生の時点ではそのうえで自信がない部分、点数を落としている部分を重点的にやり直すようにしましょう。
医学部では国公立医学部の現役生の合格比率は3~5割ほど、私立では2~3割ほどとなっており浪人生が有利になっているのが実状です。
早めの動きでその差を埋めていきましょう。
なぜ先取りをするのが理科なのか
現役生が準備次第でしっかりと点数を取れる科目
英語や数学は以前の内容を理解した上で新しい内容を学んでいくという学習ですので、中学生の英語や数学が理解できていなかった生徒は高校に
入って理解できるようになることはほとんどありません。そのため点数を落としてしまっている場合は前に戻っての復習がメインとなっていきます。
しかし理科や社会は先取りで学習をした上で覚えてしまえばすぐに点数にすることができる科目です。
そして一度しっかりと覚えて点数を取れる状態になればそこからはある程度の点数が見込めるようになります。
特に医学部を目指す場合は理科が必須、学校によっては2科目必要になることもありますので、点数を確保することが合格への絶対条件となります。
現役生が先取りから復習をすることで高得点が見込めるのが理科ということからも理科の先取りが重要ということになるのです。
物理、生物、化学によって勉強法が違ってくる
「理科」という教科は物理、生物、化学という科目を抱えています。それぞれの科目によって勉強法が違ってくるので単純に「理科」とひとくくりにはできません。
物理は必要な単語、公式などを暗記するところから始まり、それを数学的な考え方をして式を作る、答えを出すという作業が必要になります。
そのため数学的思考ができない、苦手という人にはかなり厳しい科目となるでしょう。
物理で点数を確保するためには式を作るのに必要な事項をしっかりと暗記し、式を立てて問題を解くという練習が重要となります。
生物は暗記しなければいけない量が物理よりもかなり多くなります。
物の名前、固有名詞、生態などを暗記した上で、それらを使っての考察、記述を行わなければいけません。そのため国語的な要素が関わってきます。文章を作る、説明する、表現するということに慣れておかなければなかなか試験で思うような記述はできません。
文章を組み立てて正しい用語を使って説明する、そういった練習をしておきましょう。
化学は理論化学、無機化学、有機化学から成り立っています。
まずは理論化学の基礎を押さえていきましょう。ここをおろそかにすると無機化学や有機化学でも点数をとることができません。
基本的な用語とその意味、定義を覚え、公式の意味と使い方を正確に覚えていくことが後の理解をスムーズにしていきます。
無機化学では覚えた知識を整理した上で必要なものをそのときに取り出せるかどうかがポイントとなります。
単純に覚えるだけでなく、正しくアウトプットできるかどうかの練習をしておきましょう。
それは有機化学でも同様です。化学は知っているだけでは問題が解けないので、知っている知識の使い方を練習していく勉強法に取り組んでいきましょう。
まとめ
医学部の受験をする生徒は理科は避けては通れません。
適切な学習進度のために時には先取りをして学習範囲を完了させる必要もでてきます。
しかし理科を押さえることができれば全体的な得点アップも大きく期待できます。
計画的に学習することで理科を得点源にしていきましょう。