生物の指導方針
生物はしくみや現象の骨格を定着させることが得点への近道
教科の特性
生物は暗記科目と思われがちですが、実はそうではありません。
学習内容としては、①用語を覚える、②しくみや現象を覚える、の2点に大別されます。
じゃあ、覚えるだけじゃないか、暗記じゃないか、と思ってしまうのですが、問題を解くためには「理解する」力が必要になってきます。
入試問題での生物の出題パターンは、おおよそ
① 基本知識や用語を問う問題
② 用語や現象を説明する問題
③ 文章の正誤判断問題
④ 実験考察問題
⑤ 計算など応用問題
このような内容に分けることができます。
②~⑤ではしくみや現象を理解し、本文の内容や実験内容を理解しておかなければならないのは言うまでもありませんが、①にも同じことが言えます。
普段、何かの名前を覚えるとき、名前だけを覚えるでしょうか?
その物や事柄をイメージしたりしながら、情報をくっつけて記憶していくはずです。
イメージの定着ができている記憶内容については、これは何?と聞かれたときに説明して答えることができるようになるのです。
ですから、生物用語は暗記するのではなく、そのイメージを定着させて「理解する」ことをしなければ、得点になりにくいのです。
そのために、イメージの柱や幹、骨格となる現象の流れを定着させることが近道になります。
用語の名前は枝や葉のようなものなのです。幹ができれば葉をつけやすくなります。
まずは生命現象やしくみを流れで大まかに理解し、イメージをつくること。
そこから用語をつけたしていくように理解を広げていきます。
「暗記」も「理解」もどちらも覚えることにつながりますが、問題を解くためには「理解」が近道になるのです。
「理解」をして、語句を答えられるようにする。
「理解」をして、問題文を把握できるようにする。
「理解」をして、正誤判断できるようにする。
「理解」をして、説明できるようにする。
「理解」をして、考えられるようにする。
この力を養うことが生物の学習にとって最も重要なのです。
指導方針
「理解」をするためにはどのような学習をすればよいのでしょうか?
おすすめの方法は「絵や図を描くこと」です。
問題などで図があると、本文を理解しやすくなりますよね?
文章だけだと読むのに疲れて、頭に全く入ってこない、という経験があるのではないでしょうか?
普段の学習で絵や図を描いていると、それだけでイメージが定着し、語句なども覚えやすくなり、説明もしやすくなります。
覚えたり暗記したりするときに用語を何度も書く、説明文章を何度も書く、というような学習では、ある程度覚えることができますが、忘れてしまったりすることもでてきます。
授業ではとにかく絵を書いて、イメージを定着させます。
たとえ話などとともに定着させると効果的です。
自分なりの絵を書けるようにして、問題を解くときには、時にはその絵を書いて、見ながら答えるようにしていくと、そのしくみの理解度が上がるとともに、正解率も上昇していきます。
また、考える力、説明する力を養うために、対話型の授業を行います。
「答えはこうだよ」と教えることはほとんどしません。
「なんでこうなるの?」「そうしたらどうなるの?」と問いかける授業を行うことで、考え、説明し、理解する力が養われます。
生物が面白く、楽しくなり、得意になる指導で実力をアップさせていきましょう!